日々、肩こりに悩まされている妹は、給料が入るたびに次から次へと部屋で手軽にできるマッサージ機を購入するのが、半ば習慣のようになっていた時期がありました。その理由は自宅に医療機器メーカーが作る本格仕様で、実際に整形外科医院で目にしたこともある高価なものがありながら、母の部屋に置いたことから夜に使えないためです。当時、同じく別の医療機器メーカーが開発して売りだしたのが低周波治療機なるもので、ゲル状のシートのパッドをこりの部分に貼ることで、低周波によって肩こりをほぐしてくれるというものを、妹は早速購入してきました。妹から使ってみるかと聞かれたので、それまで肩こりのつらさを知らずに生きていたにもかかわらず、遂に肩こりに悩まされるようになった私は、お言葉に甘えて使わせてもらうことにしたのです。揉むと叩くのどちらかの選択と、揉むと叩くがセットになったコースなど、複数からお好みを選んで使うようになっていましたので、両方でほぐしてくれるコースを選んでスイッチを押したところ、揉むというよりはつまんで引っ張り上げるような感じです。叩くになるとピクピクと肩甲骨辺りまで体が動くという、これまでに経験したことがない感覚を味わいましたが、終わってみると肩こりがほぐれて楽になるというよりは、何だか余計につらくなったような感じになってしまったのです。さすがに妹に正直に感想を言うのは憚られたことから、すごいねなどと言ってごまかしたものの、その後、妹本人がしまい込んで使っていなかったことから、同じように感じたに違いありません。それから数十年の月日を経て、母に付き添って行った整形外科の待合室で、夫が低周波治療を受けていると話していたおばあさんの会話から、そういえば今の低周波治療機はどうなのだろうと気になって調べてみると、温めながら深部のコリまでほぐすという高価な低周波治療機があったのです。肩こりのつらさに耐えかねていたのですぐさま購入したところ、びっくりするほど肩が軽くなりました。低周波治療機によるマッサージ技術が知らない間にかなり進化したことを実感し、久しぶりによい買い物ができたと喜んでいます。